Computer & RF Technology

RTL2832UドングルにHF受信用プラグインフィルタを付けてみる

先日RTL2832Uドングルをダイレクトサンプリングで使ってHFを受信してみましたが、混変調(特にFM放送の)があるのが観察されました。HF受信にはフィルタがあったほうがいいかなと感じましたので、何か良い方法はないかと考えていたのですが、SDRのキットとして著名なSoftRock RXTX 6.3のプラグインの受信フィルタが目的に合うのではと思いつきました。さっそく試してみたのでその内容を書いておきます。

SoftRockとは、PCのサウンド入力に接続するタイプのSDRフロントエンドキットです。HFのオールバンドをプラグインで対応したモデル(RXTX v6.3)があり、以前これを入手して試していました。現在はすでにキットは入手不可のようですがサイトは残っていました。構成や回路図など詳細は以下を参照することができます。

https://wb5rvz.com/sdr/RXTX_V6_3/

これの受信BPFは4種類用意されていて、それぞれ1.9MHz, 3.5-7MHz, 10-18MHz, 21-28MHzの各バンドをカバーしており、ピンヘッダで差し替えられるようになっています。

フィルタの定数などの詳細は下記PDFにあります。

https://wb5rvz.com/sdr/RXTX_V6_3/images/RXTX+Xtall%20v6.3_sheet%204_11_10_08.pdf

回路図を見ていただくとわかるように、このフィルタの出力側はトリファイラのトランスによるバランス型になっていて、RTL2832Uの差動入力にちょうど良さそうに見えます。入出力も分離されているのでアンテナをつないでも安心です。

これらのフィルタの特性を0-30MHzで取ってみました。機材はojisankoubouのAPB-1です。ちゃんとマッチングしていない簡易的な測定ですのでご参考程度です。1.9MHzは帯域狭いですが、他の3つはそれなりにブロードな特性なので、ハムバンド以外にも使えそうです。

これらのフィルタを差し替えして使えるように、ドングル側にピンヘッダを付けてみることにしました。前と同じようにコンデンサを外さずにドングルにコネクタを追加するだけにしました。もしチューナを生かしたくなった場合でも、コネクタからフィルタを取り外すだけで復活させることができます。

さっそくこの加工をしてみたところこんな感じになりました。3ピンメスのピンヘッダをPALコネクタの上にホットボンドで付けています。ピンヘッダが邪魔でドングルのケースは使えませんが、PALコネクタは使おうと思えばこのまま使うことができます。

同軸を2ピンのヘッダにハンダ付けして、フィルタの入力に差し込みます。Macに取り付けるとこんな感じです。

gqrxで7MHzを受信してみました。ちゃんと受信できています。

混変調が減っているかを確認してみました。バランのみで使っていた場合、FM放送の82.5MHzがドングル内部の28.8MHzの3倍との差で3.9MHzに見えていました。

82.5MHz - 28.8MHz x 3 = -3.9MHz

これのフィルタを通すことによる変化を見てみます。スクリーンショットのウォーターフォールで中央の幅広の信号がFM放送波由来のものです。下側がフィルタ無しでバランのみの場合、上側はバランの代わりにフィルタに変更した後の様子です(途中の隙間はつなぎかえの作業時間です)。効果は明らかで、大きく削減できているようです(まったくゼロにはなりませんでしたが)。

(補足: 実験用にバランもプラグインできるようにコネクタを付けて差し替えしました)

札幌周辺ですと他に80.4MHz, 85.2MHzが強いので、それぞれ6.0MHz, 1.2MHzに見えてしまいます。感度の抑圧を受けている感じは受けなかったのですが、HFでFMが聞こえるのは気持ち悪いですので、フィルタは欲しいところです。

以上、RTL2832Uドングルでダイレクトサンプリングのバランの代わりにフィルタを使っています、というご報告でした。

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