Computer & RF Technology

RTLSDRドングル用にHF Up Converterを作る

以前RTL2832UドングルでHFを受信するためにダイレクトサンプリングを試してみました。受信はできたものの、感度やスプリアスの点で満足できませんでした。もう一つの方法として、アップコンバータを検討をしていましたが、基板をオーダーで作って動作させてみましたのでそのメモです。

動作原理ですが、MF-HF(0-30MHz)の信号を、100MHzの水晶モジュールのLoとDBMで100-130MHzに持ち上げます。DBMの前後にチップ部品で構成したLPFとHPFを入れます。RTL2832Uドングルと組み合わせて使うので電源はUSBとします。アップコンバータを使わないときはスルーしてドングルとアンテナが直結となるようにリレーを入れられるようにしてみました。回路はこんな感じです。リレーやバッファをバイパスするジャンパがあるので回路図は冗長に見えますが、主要な部分はシンプルです。(クリックで拡大)

image

これを基板にレイアウトしてみました。アートワークはこんな感じ。

image

基板は厚み1.2tを選択し、FusionPCBに12/4にオーダー、12/19に受領しました。到着まで2週間かかりました。今回はシンガポールからの発送でした(以前は中国本土からでした)。

image

調達してあったパーツを実装します。動作を確認しながら、USBコネクタ、電源、水晶、ATT、DBM、LPF/HPF、SMAコネクタの順に実装します。部品を載せるとこんな感じです。(クリックで拡大)

image

さっそくRTL2832Uドングルに接続して試してみました。コネクタはSMAにしたので、Male-MaleのSMAアダプタとMCX変換ケーブルでドングルと接続します。使用したドングルはR820Tです。アンテナが7MHz用のものしかないので、前回のダイレクトサンプリングのときと同様7MHzで試します。

image

gqrxで受信してみます。100MHzの水晶を使ったので、周波数は+100MHz、すなわち7MHzを受信するなら、周波数を107Mhzに合わせます。キリの良い周波数にしたので変換も簡単です。

image

https://youtu.be/IbHIpFi8Oak

ちゃんと受信できました。ちょっとノイズフロアが高めです。

比較のため、ダイレクトサンプリングで受信してみた画面キャプチャも載せておきます。

image

聴感とgqrxのスペクトル表示を見た感じでは、アップコンバージョンとダイレクトサンプリングで、S/Nにそれほど違いが感じられませんでした。ダイレクトサンプリングでは感度不足を感じており、ドングルのLNAを通すことで感度アップを狙っていたのですが、現時点で効果は出せていません。一方、余計なスプリアスが少ないのと、FM放送の混信が見られませんので、アップコンバージョンにメリットはあります。

メモとリファレンス

  • gqrxではLo周波数を設定できるので、ここに-100MHzを設定すると周波数を直読することができます。スクリーンショットは判りやすいよう、設定せずに107MHzの表示のままにしています。
  • 水晶の出力にバッファを入れられるようにレイアウトしましたが、オシロで実測してみたところDBMを負荷にした状態で1.8Vppと十分な振幅がある(50Ωだとすると9dBm程度)ので、バッファは不要なようです。バイパスするようにジャンパをつなぎました。バッファの有無でIP3を比較してみたいです
  • 上記に載せた写真ではリレーを実装せずバイパスしました
  • リレーはHF/VHFアンテナの切り替えにも使えるようにジャンパとコネクタを用意しています
  • ノイズフロアが高いですが、Loをオフするとすっと下がります。水晶モジュールによるLoの質が悪いことは考えにくいので、アンテナ由来のようです。ゲイン設定を下げるとノイズフロアも下がります。
  • 既成のDBMモジュールを使うのではなく、自作らしくSBMをバランで作れるようにツインショットキーDiを載せられるようにしています。回路図にある浮いたDiがそれです。
  • コネクタにSMAを使いましたが、ドングルに接続する変換コネクタが煩雑です。どうにかしたいのですが、入手可能なMCXコネクタが安価ではないのが悩ましいです
  • TAKACHIのモバイルケースMX2-6-5が使えるように基板のサイズを選んでいます
  • キット頒布をやってみようと思っています。数量を検討したいので、もしご希望の方がいらっしゃいましたらコメント欄かツイッター、FBにてコンタクトください。2000円以下にしたいと考えています。部品を揃えるのに若干時間がかかりますのでご了承ください。(表面実装のハンダ付け経験のある方向けです) (2013/1/5追記 最初のロットは締め切りましたが、もし引き続き希望がありましたらお知らせください)
  • 基板だけのご希望があればこちらもお知らせください
  • 以前の検討メモの記事 RTLドングル用のHFコンバータを検討する(11/16)
  • 以前のダイレクトサンプリングの記事 RTL2832Uドングルのダイレクトサンプリングで7MHzのアマチュア無線を受信する(11/22)
  • 参考にした製作例 https://www.ct1ffu.com/
  • きっかけの製作例 アップコンバーター1台目完成 (The End Of Civilization)
  • 基板の発注先 FusionPCB

(1/30追記)キット頒布について

大変お待たせしました。こちらのページにてキット頒布(初期ロット)のご案内を掲載しました。ご予約頂いた方にはご連絡さし上げますが、上記ページの内容を確認の上お申し込みください。

次回ロットも作成予定です。ご希望の方はご連絡お願いいたします。

comments powered by Disqus