Computer & RF Technology

HFコンバータの特性を計測器で計ってみる

完成品のHFコンバータが販売開始になったのを機に、計測器で特性を計る機会がありましたのでその様子を上げておきます。これまであまり定量的な結果を示すことがありませんでしたので、ご参考にしていただければと思います。

まずは変換ロスです。7MHz -60dBmの信号を入れ、107MHzの出力を見てみます。出力は-66.7dBmと、6.7dBの変換ロスです。DBMの仕様typ値が5dB程度ですので、フィルタのロスを考慮するといいところかと。(Span 500kHz, RBW 1kHz)

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Lo=100MHzを中心にスパンを広げてみます。100MHzから等間隔の93MHzと107MHzに信号が見えます。107MHzに比べて、93MHzはHPFの肩にかかっているので若干レベルが下がっています。Loは-60dBm程度出ています。Loの入力が5dBとするとアイソレーションは65dBくらいになります。

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Loのハーモニクスを見てみます。奇数次の3倍、5倍は少なめですが、偶数次の2倍、4倍が多めに出ています。144MHzに見えるピークは環境由来のもののようです。

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入力する信号の周波数を下げてみます。100kHz -60dBmを入れてみます。7MHzの場合とほぼ同様です。Span 250kHz RBW=200Hz。余計な信号は見当たりません。これならJJY 40kHzも余裕なはずです。

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Loの近傍を見てみます。Span:1kHz RBW:10Hz。Loの漏れが少ないせいもありますが、キャリアの裾野の位相雑音もノイズフロア以下で全く見えません。計測の限界で見えていないせいもありますが、見る限り十分にクリーンなLoだと言って良いと思います。これなら100Hzなんて極超々長波も受信できそうです(もちろん実際には親受信機の性能に制約されてしまい困難だとは思いますが)。

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続いて2信号特性計測の代わりに、AM変調した信号を入れてみました。-30dBmを入れると、3次歪は-90dBm出ています。

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-40dBmの入力だと3次歪はノイズレベル以下になります。

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細かくステップ切ってカーブを取ればIP3っぽい値も計測できるはずですが、今回そこまではしませんでした。十分低歪みなことは確認できましたので。

キットで作ったHFコンバータも、使っている主要部品は同じ物ですので、これらの結果はほぼ同様のはずです。ご参考にしてください。キットは現在品切れになってしまいましたので、販売されている完成品をご検討いただければと思います。もしくはキット追加のご希望をお寄せください。

このサイトの本旨としては、できれば測定環境も自作した上でその結果を紹介したいところなのですが、今回はHFコンバータの性能をある程度客観的かつ定量的にご理解いただけるように、ちょっとズルをして計測器での測定画面を紹介しました。このような計測器はふだんの試作の際には原則として使っていないのですが、果たして使ってみると便利過ぎてヤバいですww

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